本日は、登山者の魂「ピッケル」について少し語りたいと思います。
昔話になりますが…
J.muraは、本格的な登山用品の専門店に勤務していた経歴があります(一応、現在もかな…笑)。
接客の中で、「ピッケル」についてのお話しすると、たま~にこんなことを言われたものです。
A子さん
「ピッケル使うような厳しい山には絶対に行かないわ、だから私には必要ないわ」
Bさん
「高い山に行がねがら大丈夫だべ~」
C君
「オレ、低山しか行かねーし、そんなもんいらねぇっしょ!」
Dさん
「なぬまず、ほいな本格的な装備、大袈裟だべっちゃ~」
Eさん
「ツルハシなど、いらねぇ!」
J.miura
「はい…、そうですか…」
多少脚色しておりますが(笑)
これはJ.miuraの若い頃の話。
まだ経験も浅く貫禄も無く説得力も無かったのかなあ~(笑)
皆さんは「ピッケル」にどのようなイメージをもっていらっしゃいますか?
「ピッケル」はアルピニストと言われるような上級者だけの装備なのでしょうか?
「ピッケル」を持つことって本格的すぎて大袈裟なのでしょうか?
皆さんが行く山には、本当に「ピッケル」は必要ないのでしょうか?
いや、「ピッケル」は、上級者用の装備だとか、本格的だとか、大袈裟だとか、そんな高嶺の装備じゃないんです。
標高に関わらず、冬期に山歩きを楽しむ登山者なら、誰もがもっと積極的に装備し、もっと有効に使うべき身近な装備であるとJ.miuraは考えます。
J.miura愛用のピッケル「グリベル モンテビアンコ」はコチラ↓
↑七ツ森 撫倉山(359m)へ向かう岩場が凍結。
山(自然)に絶対大丈夫なんてありえません。
「厳しい山には行かない!」
と宣言しても、優しいと思って行った山が、低温・風・降雪・積雪などの気象条件によって凍結し厳しい状況に豹変することはよくあります。
↑七ツ森 松倉山(291m)へ向かう急斜面が凍結。
↑積雪に隠れていた凍結。
高い、低い、山の難易度は標高だけで決まるわけではありません。
低温で凍結した低山を安易に考えると痛い目にあいます。
低山でも、土壌が硬く凍結していることもあります。
積雪の下が凍結していることもあります。
「里山」と言われる低山は、急斜面が多く岩場が多いのが特徴。
岩場が、急斜面が、低温により凍結してしまったら…
にっちもさっちもいかなくなってしまいます。
↓冬の里山がどんな感じかコチラをご覧下さい。
J.miuraが先日歩いてきた「七ツ森」の冬の様子です。
ここで「七ツ森 哀歌」をご紹介(^_^)v
♪なな なな もりもり みんな滑るよ♪
♪つるつる てかてか 明日も 滑るかな~♪
何の替え歌詞かわかるかな~(笑)
(ヒント、この曲を歌ってた可愛い二人、もう高校生なんだね~)
楽しい曲調なのに歌詞は登山者には辛い…(笑)
さて、ピッケルの出番です!
↑摑まる場所が無い雪山では「ピッケル」は「手掛かり」として使用。
「トレッキングポールじゃだめなの?」 そう思う方もいらっしゃるでしょう。
でも「ピッケル」とそれとでは強度が全く違うのです。
トレッキングポールはバランス確保の道具です(全体重を預けるような使い方は危険)。
丈夫な「ピッケル」は、トレッキングポールよりも強く頼もしい道具になります。
「ピッケル」は登山者の全体重を支え、命を守る頼りになる装備なのです。
↑凍結した土壌でもピッケルが役に立ちます。
「手掛かり」として使う、「ピッケル」の重要な用途の一つです。
↑急斜面が凍結していてどこに足を置いたらいいか迷う…
↑ツルツルテカテカの場合は…
↑こうするのさ!「ステップカット」。
「ピッケル」の「ブレード」を使用して氷を砕き、平らな足場を造る。
↑「ステップカット」のコツは、
登山靴がしっかり置ける面積を削る。
滑らないように平らに削る。
植生を傷つけないようにする、などです。
*不安な場合は必ず「軽アイゼン」なども併用してください。
↑七ツ森 撫倉山の山頂
ピッケル&アイゼンなどの装備を駆使して登頂すると達成感も倍増しますよね~
最後に…
「ピッケル」には、様々な用途があります。
今回ご紹介したのは…
杖(バランス確保)
手掛かり
ステップカット(カッティング)
今回はご紹介しませんでしたが…
初期制動&滑落停止
耐風姿勢
ラッセル
支点
SAB(スタンディング アックス ビレイ) 他
「ピッケル」は本当に頼りになる道具です!
ザックに付けているだけでもカッコいい(笑)
まずはカッコから入いるのも「悪くないだろう~」
J.miuraも最初はカッコからです(笑)
武士ならば常に剣術の鍛錬をして、いざという時に備えるのも。
登山者ならば常に「ピッケル」の鍛錬をして、いざという時に備えましょう!
実際に「ピッケル」の使用方法を学びたいという方は、宮城の登山ガイドJ.miuraまでお問い合わせください!
それではっ!山でお会いしましょう!
By 宮城の登山ガイド「J.miura」
J.miuraは「登山道 三浦流」を極めるべく、今日もまた歩き続けています。
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何でもご遠慮なくご相談ください~
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