まだまだ注意!「熱中症対策」&「疲労軽減対策」について

アウトドアの知恵

こんにちは、宮城の登山ガイドJ.miuraです。

皆様、夏山登山は満喫されていましたか?

今年は梅雨明けも早く、登山にはとても良い夏かなと思っていたら、お盆の頃からは雨が続き…
でも、また暑くなってきましたね(^^;

山域やルート、休憩場所、日時など、混雑を避ける計画を立て、新型コロナウイルスの感染には十分注意して、山歩きを楽しんでくださいm(__)m

「J.miuraのレッスン&ガイド」8月の一般募集企画は、宮城県独自の緊急事態宣言や、蔓延防止等重点措置などもあり、開催を見合わせておりました。

9月になりましたら、さらなる感染対策の徹底のお願いと人数制限をするなどして、開催を考えておりますので、もう少しお待ちくださいませ。

また、小人数制のプライベート企画をご希望の方は、ご遠慮なくご相談くださいませ。

新型コロナウイルスなんかの為に、山歩きなど自然との触れ合いが、全く出来なくなるようなことは、絶対にあってはならない!

J.miuraは、コロナ禍でも登山が「安全にできる」方法を前向きに考えて行きたいと思っています。

さて、夏山のピークは過ぎてしまいましたが、熱中症対策は「疲労軽減対策」や、山での「突然死予防」にもなりますので、少しお話ししたいと思います。

夏山登山で、最も注意すべきリスクの一つが「熱中症」です。
夏山と言えば、涼しさ求めて行きたくなりますよね。

しかし、涼しい高所にたどり着くまでが一苦労。
急な斜面を夏の日差しを浴びながら歩くのは、かなり身体的にも負荷がかかります。

熱中症=体のオーバーヒートみたいなイメージかもしれませんが…
決して侮れない、命にも関わるので要注意です。

熱中症対策のポイントは、

「上手な水分塩分補給」、「快適な衣服調整」、「加冷」、「慣れ」です。

➀水分補給

登山では、トイレの心配をして水分をあまり取らない方がみられますが、これは大変危険です。

トイレが心配な方も、一口(少量)の水分を、回数を多くして補給すると良いです。

また年齢を重ねると、喉の渇きに鈍感になるケースもありますので、意識的に小まめに水分補給をするようにしましょう。

塩分や糖分を一緒に摂取できるスポーツドリンクがオススメです。

保冷&保温できるサーモスの山専ボトルはJ.miuraも愛用しています。

②塩分補給

真水やお茶などを水分補給される方は、塩分補給もお忘れなく。
大量の汗で水分と共にナトリウム(塩分)も失われます。
真水だけ摂取しているとナトリウム濃度が薄まり、身体の体液のバランスが崩れてしまいます。

すると、喉の渇きは一時的に癒えますが、体はナトリウム濃度を元に戻そうとするため、余分な水分を尿として排出したくなるそうです。

スポーツドリンクなどなかった時代の人達は、水分補給と共に、塩を舐めながら肉体労働をしていたそうです。

皆様なりに摂取しやすい塩分補給、スポーツドリンク、梅干し、塩舐め、味噌汁…
いろいろあると思いますので考えてみてください。

水分&塩分のバランスが崩れると、熱中症、足が攣る、運動能力の低下、さらに血流が悪くなれば病気を誘発(心筋梗塞・脳梗塞)することもあります。

十分にご注意ください。

但し、高血圧の方の塩分適量を考えて、ご注意して摂取してくださいね。

③衣服調整

登山では、様々なリスクから身を守る必要がある為に、肌を露出しないウェアリングが基本です。
特に重要なのが、太陽に最も近い位置にある「頭部」の防御。
「頭部」は血液量も多いので日射で沸騰してしまわないように、帽子などでしっかり守ってくださいね。

J.miuraは後頭部もしっかりガードしてくれる、筒型のバンダナを愛用しています。
バフのバンダナは便利です(^_^)b

風があまり強くない場合は、日陰を作ってくれて、通気がとても良いので、「編み笠」が快適ですね。
先人の知恵や道具には、本当に優れたものがたくさんありますよね。

*高温下で、レインウェアを着用すると、サウナ状態になってしまい、熱中症になることがあります。
汗で濡れるも、雨で濡れるも同じこと。

小雨程度ならフードを外したり、ファスナーを全開にしたり、腕まくりをして通気を良くしましょう。また、小雨程度ならレインウェアを着用しない、という方法が快適で安全な場合もありますので、状況に応じて対応してください。

④加冷

体が火照ってきたなと感じたら、オーバーヒートしないように、積極的に加冷しましょう。
人間は汗をかくことで、気化熱で体を冷やそうとします。

しかし、汗をかきにくい方は、これが出来ないので不利です。
凍らせたペットボトルなどを携行して積極的に冷やしましょう。
血液が多い頭部、太い血管がある首や脇の下などを冷やすと効果的です。
自然の中では、冷たい沢水や雪渓の利用も考慮しましょう。

ブナの樹皮も触ってみるとヒンヤリして気持ちいいですよ~(^_^)b
また、最近の研究では、手のひらを15℃位で冷やすと体温を下げるのに有効だとか。

宜しければコチラをご覧ください↓

超お手軽な熱中症予防法を大公開!~『金のベンリ堂』

風が無い場合には、風を起こすことが出来る「扇子」が役に立ちます。
晴れていても、「無風」の場合の山歩きは十分ご注意ください。

「日本手ぬぐい」をペットボトルに巻いておくと、良い具合に濡らされますので「加冷」に便利です。
しかも、この「日本手ぬぐい」は速乾性に優れており、頭にも巻けるし、ネックウォーマー代わりにもなるし、アウトドアでは大活躍です。

「加冷」に使用して「手ぬぐい」が温くなったら、このように持ってグルグル回せば、気化熱で冷えてまた快適に使えます。

⑤暑さに対する「慣れ」

登山をする為には「行動体力」と「防衛体力」が必要です。
「行動体力」とは、一般的な身体的体力のことで、持久力、筋力、バランス力、などのことです。

登山でいう「防衛体力」とは、様々な自然環境に対応できる能力といった感じになります。
登山の上級者は、「行動体力」が優れているということだけではなく、自然の中で受ける様々な逆境に対応・順応できる能力、「防衛体力」が備わっているものです。

暑さに強い、寒さに強い、不快な状況にも耐えられる、というのが防衛体力です。
6月は、熱中症が多いと言われています。

これは比較的過ごしやすい気候から、急な真夏日で高温にさらされると、体が暑さに慣れていない為、日頃から運動習慣の無い方は、すぐに対応が出来ないそうです。

ですので、暑さ対策には「慣れ」が重要です。

ぶっつけ本番のような登山は止め、ウォーキングや筋トレ、近くの里山歩きなどで、少しずつトレーニングをして、ビックマウンテンにはチャレンジしてください。

最後に、

登山計画を立てる際は、森林限界(木陰)、風通り、沢、雪渓、小屋など涼しいポイントをチェックしておきましょう。

ご自身の体力と技術にあった山選び、ゆとりある無理のない行動計画、早出早着き、数日前からの体調管理、不調を感じる場合の勇気ある撤退、これらはとても大切ですよ!

「無事之名登山者」です!

万全の準備で、山歩きを楽しんでください!

それではっ!山でお会いしましょう!

By 宮城の登山ガイド「J.miura」
J.miuraは「登山道 三浦流」を極めるべく、今日もまた歩き続けています。
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