「心」を込めて歩く登山 ~七ツ森 登山ガイド 厳冬期編~

冬の山

宮城県黒川郡大和町にポコポコと小さな山々が並ぶ場所があります。

今回J.miuraが歩いてきましたのは…

仙台近郊にお住いの登山者にとっては「泉が岳」と同様にお馴染みの「七ツ森」です。 

ご存知の方も多いと思いますが「七ツ森」とは七つの山の総称で、笹倉山、松倉山、撫倉山、大倉山、鉢倉山、鎌倉山、遂倉山の七座を言います。

そして各山頂には「薬師如来」様が祀られているのです。

「なぜ七つの山の頂きに薬師如来様が??」 

不思議に思う方は実際に歩いてその謎を解いてみてください(笑) 

七ツ森の歴史、由来、調べていくと非常に面白いですよ~

↑七ツ森の主峰「笹倉山(506m)」と「七ツ森湖」。
これから「七ツ森」を歩く方には是非覚えていて頂きたい歩き方があります。
それは、七ツ森の「七薬師掛け」です。

七ツ森の七座を一日で踏破するのが「七薬師掛け」。
古の人々は、無病息災・家内安全・五穀豊穣などを願い、心を込めて歩いていたそうです。
日本における登山の始まりはココ(信仰)にあるとJ.miuraは考えています。

現在レクレーションとして楽しまれている登山。

今回のJ.miuraは登山の起源を思い起こしながら、無病息災とコロナ終息を祈りつつ、久しぶりに踏破にチャレンジしてきました。

こんな想いを抱いて歩くのは、東日本大震災後の初登山「七薬師掛け」以来かもしれませんね。

一座目、「たんがら森(232m)」。
「文殊菩薩」様に手を合わせ祈る。

そう、ここで注意して頂きたいことが…
「たんがら森」には「薬師如来」様ではなく、「文殊菩薩」様が祀られているということ。

だから、「たんがら森」は「七薬師掛け」のルート外となり、七つの山には含まれていないのです(笑)。
でも、宮城の登山ガイドJ.miura的には、「文殊菩薩」様にもちゃんと挨拶しておきたいかな。

二座目、「遂倉山(307m)」。
「薬師如来」様に手を合わせ祈る。
形の良い三角錐の山容はどこから見てもわかりやすい。

美しい三角錐の形状。
林の奥に「遂倉山」が見えます(蜂倉山へ向かう途中から)。

中央の尖ったのが「遂倉山」です(撫倉山への登りの途中から)。

こちらは遂倉山からの下り、七ツ森の主峰「笹倉山」が顔を出しました~
ちなみに右側の手前にあるのが、本日三座目になる「鎌倉山」です。

「七ツ森」は急斜面の登り下りの連続です。
特に厳冬期は、積雪・凍結があり「ピッケル」は必需品。
その用途は多岐にわたります。

「ピッケル」は「登山者の魂」とも言われています。
手・腕の延長、身体の一部のように使いこなせるようにしましょう。
「ピッケル」の使用方法などついては次回詳しくお話ししたいと思います。

J.miura愛用の「グリベル モンテビアンコ」(写真参照)。
今では本当に珍しい木製のピッケルです。
握った感触がとても良いんですっ!
お家の壁に飾っても様になりますね(笑)
また玄関や床の間に置いておけば護身用にも! 
J.miuraオススメの一品です。

三座目、「鎌倉山(313m)」。
「薬師如来」様に手を合わせ祈る。
鎌倉山の「薬師如来」様だけは屋根がかかっています。

四座目、「蜂倉山(289m)」。
「薬師如来」様に手を合わせ祈る。
蜂倉山(鉢倉山)の登下降もかなりの急坂。

鎌倉山方面からの登りで、特に岩場のトラバース箇所では岩が凍結していると足場(足を置く場所)が全く無くなります。

「ピッケル」で「ステップカット」したり、「アイゼン」を装着したり、気を付けて慎重に通過するようにしてください。

五座目、「大倉山(327m)」。
「薬師如来」様に手を合わせ祈る。
七ツ森の急斜面には「固定ロープ」が張られているところが多くあります。
基本的なことですが、支点の状況、劣化具合などしっかり確認してから体重をロープに預けるようにしましょう。

コチラは厳冬期「七ツ森」縦走中の核心部。
名所「蟻の門渡り」は雪稜と化していました。
この先に「撫倉山」の山頂があります。

「蟻の門渡り」が厳しい方には迂回ルートもあります。
しかし、迂回路と言っても足場のせまいトラバース。

キックステップ、アイゼン歩行、ステップカット等、慎重に足場をつくり安全確保しながら通過するようにしましょう。
この辺りの通過にはピッケルは必要かな~

トラバースの次は「鉄梯子」&「鎖」。
その後、またトラバースが待っているのであります。
「鉄梯子」は積雪により足をかけにくくなっています。
しっかりと蹴りこんで足場をつくるようにしましょう。

雪山で、残置ロープ、梯子、鎖、自然の岩や枝や幹を掴んだりすると、凍結や雪が付いているので、アッいう間にグローブが濡れて手が悴んでしまいます。

防水最強「テムレス グローブ」を使用したり、予備のグローブを携行したりするようにしましょう。

防水最強「テムレス グローブ」についてはコチラをご覧ください。

「テムレス グローブ」 ~登山者の必携のアイテム~
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山頂が近づいてくると青空が見えてきます。
「撫倉山」への最後の急登です。

六座目、「撫倉山(359m)」。
「薬師如来」様に手を合わせ祈る。
「撫倉山」は七ツ森の中で最も展望が良い山です。

「撫倉山」山頂からの黒川郡大和町の街並み。
ずっと奥の方には「牡鹿半島」「金華山」を見ることができます。

右手前が「大倉山」、左の尖ったのが「遂倉山」。
ずっと奥には、雪化粧した「栗駒山」が見えます。

コチラは「泉ヶ岳」「北泉ヶ岳」「船形山」方面。
眼下には「七ツ森湖」が見えます。

七座目、「松倉山(291m)」。
「薬師如来」様に手を合わせ祈る。
「松倉山」からの下りもロープを張った急斜面。
信楽寺跡の登山口に下山するまで気が抜けません。

「七ツ森」の「七薬師掛け」、決して里山歩きと侮るなかれ!
なかなかのロングルートで、気の抜けない登り下りの連続です。
最後まで慎重に丁寧に歩きましょう。

特に厳冬期の「七薬師掛け」は普段の七ツ森の難易度2ランクアップ!
まずは、無積雪期の「七薬師掛け」を何度か歩き、雪山登山をしっかり経験してからチャレンジしてくださいね。

そして八座目、こちらはちょっと離れたところにある七ツ森の主峰「笹倉山(506m)」山頂です。
山頂にある薬師堂の中に七体の石仏が安置されているそうです。
機会があったら見てみたいものですね。

薬師堂の左にある石碑に「薬師如来」様が描かれています。

これは「熊だな」です。
「七ツ森」にも熊さんがたくさんいます。
熊対策もお忘れなく。

「想い」を込めて歩く「七薬師掛け」。
始めは一日で七座歩けなくとも良いと思います。
例えば、週一で一座×7日でも。

大切なのは「想い」ですから。
皆様も雪が解けて春になったら、早春の花々を愛でながら「七薬師掛け」チャレンジしてみてください。
きっと登山の本質がみえてくると思いますよ。

最後に、こんな画像があったので。
2011年5月31日、J.miuraが東日本大震災後に行った「七薬師掛け」です。
あれから、もうすぐ10年になるのですね。

J.miuraが経験した「東日本大震災」については、機会がありましたら語りたいと思います。
祈ることしかできませんが、これからも心をこめて歩いて行きたいと思います。
それではっ! 山でお会いしましょう!

By 宮城の登山ガイド「J.miura」
J.miuraは「登山道 三浦流」を極めるべく、今日もまた歩き続けています。
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