~蔵王 登山ガイド 小鳥さえずる山麓の森から~
「雨の日は絶対に山には行かない!」という登山者は多いようですが、雨の日の山歩きもそんなに悪くはないとJ.miuraは思っています。
もちろん晴れの日の方が嬉しいですがね(笑)
上の写真はブナの樹幹流。
葉っぱが雨を受け止め、枝を伝って幹へ、そして雨は大地へと吸い込まれ、長い年月を経て沢へと流れだし、沢はやがて川に、そして海へと流れ、蒸気となり雲に、そして雨となってまた山に降り注ぐのです。
こんな素晴らしい「水」の循環の一部を見ることができるのは雨の日だけ。
「ブナの林は緑のダム(諸説ありますが)」と言われる所以を感じることができますよ。
今日は「蔵王 不忘山」の予定でしたが、連日の雨による登山道の悪路化、また高所は悪天候が予想されましたので、山域を山麓の森歩きに変更。
地形観察、地形図読み、コンパスの使用方法を学ぶ講習会を開催することになりました。
さて、こちらがフィールド講習会の風景です。
まず歩き始める前に基礎知識を学ぶ机上講習会から。
「地形図の読み方」「ルートプラン」「道迷い防止のポイント」を解説させて頂きました。
皆様、本当に熱心に耳を傾けて頂き嬉しく思います。
山岳遭難の事例で、最も多いのが「道迷い遭難」です。
警察庁が毎年まとめている態様別山岳遭難を見ると、2019年度の道迷い遭難者数は1142人で全体の38.9%を占めています。
ゆえに登山者として第一に注意して頂きたいことが「道迷い対策」なのです。
楽しい登山ですが、美しい景色を見ていても、美しい花を見ていても、山友との話に夢中になっていても、
『頭の片隅には「今どこにいるのか」という意識を常に持っていて頂きたい』
『楽しい中でも常に「緊張感」をもって歩いて頂きたい』
ということが、今回J.miuraからお伝えしたいことです。
「道迷い防止対策」として、登山者が最低限必要な知識として身に付けて頂きたいこと、それが地形図の読み方、コンパスの使い方、現場地形の観察です。
➀1/25000の地形図を携行し、ガイドブックなどで収集した情報は事前に地形図に書き込んでおきましょう
②コンパスは必ず携行し、目的地の方向、進んでいる方向は常に確認しましょう
③分岐などのチェックポイントでは、地形図&コンパスを使用し「現在地」を確認しましょう。現場地形を観察し地形図を照らし合わせる「整置」することを怠りなく
④地形図とコンパスはすぐに取り出せる場所に携行しましょう
シルバの「コンパス」は20年以上前からJ.miuraも愛用。現在のは三代目か四代目だったかな?
防虫対策には「パワー森林香」がよく効きますよ~ J.miuraも効き目を実証済み
こんな角度の小さい分岐点は、どちらが正しいのか迷いますよね~。
地形を観察し、地形図とコンパスを駆使して進むべき登山道を選択します。間違った選択をしてしまったとしても、すぐに戻ることが出来れば「道迷い」にはなりません。自然は日々刻々と変化しますから、ベテラン登山者でも初見の山や久しぶりの山では間違うことはあります。間違ったとしても素早く気づき戻ることができれば良いのです。大切なのは早い段階でのルートの修正力です。
今日もソーシャルディスタンスをとって安全に歩行しています。このように「人間距離」を保とうと意識することで、前をよく観るようになります。よく前を観ることは先を観ることになりますので、登山道を見失いにくくなり、道迷い防止にはとても良い習慣になります。ソーシャルディスタンスを意識していく中で、「前を観る」「先を観る」ことに慣れていきましょう!
今回も無事に楽しく歩くことが出来ました。急な内容の変更もありましたが皆様のご理解とご協力ありがとうございました!
By 宮城の登山ガイド「J.miura」
J.miuraは「登山道 三浦流」を極めるべく、今日もまた歩き続けています。
宮城の登山ガイド 登山の講習会 登山装備のご相談、
山の情報や安全登山計画アドバイス、
日常生活における自然災害の防災対策など、
何でもご遠慮なくご相談ください~
コメント