新型コロナウイルス感染拡大に伴い「ソーシャルディスタンス」「フィジカルディスタンス」という言葉が日常的に使われるようになった。
5月に厚生労働省が公表した新しい生活様式では
「人と人との間隔はできるだけ2m(最低1m)空ける」
と身体的距離の確保を呼び掛けている。
飛沫感染防止のためにとても大切な生活様式となるので、みんなが常に意識して生活していかなければならないでしょう。
本日は、登山における「身体的距離」の重要性について考えてみたいと思います。
これは宮城県の泉ヶ岳で開催した登山ガイド中の風景、出発前に登山ガイドの解説を聞いて頂いている様子です。
今後の登山ガイドはこのような「密接」状況になるわけにはいきませんね。
こちらも登山ガイド中の風景、みんなで準備体操をしているところです。
「みなさーん、ぶつからない程度に離れてくださいねー」
と私もよくお声がけ致しますが、これからは常にこれくらいの距離感を保たなければいけませんね。
ここまでは新型コロナウイルス感染防止対策の観点からの話でした~
さて、本日の本題はここからです。
登山ガイドツアーなどで列になっての歩行中、足元だけに集中し過ぎて前が見えなくなってしまう、歩行ぺースが自分に合わないと「あおり歩き」ぎみになってしまうなど、「前の方との間隔を十分に保てない、保たない」方がたまにみられます。
車の「車間距離」が事故の防止に為に重要なように、登山者と登山者の間隔も非常に重要です。
私はこれを「人間距離(じんかんきょり)」と表現しています。
「人間距離」を保てないとこんなリスクがあります!!
●前の人の急停止に対応できず、ぶつかってしまう、場所が悪ければ突き落としてしまいます。
●前の人のトレッキングポールが自分に刺さってしまいます。
●詰め寄り過ぎて歩くと、前の人に合わせて何度も立ち止まることになり、結果的に非常に疲れます。
●急停止された場所が急斜面や岩場など不安定な場所だと、進むも退くもできなくなり危険な状況にさらされることがあります。
「人間距離」を保つということは「先を観ること」でもあり、常に「自己確保」できる「安全地帯」を確認しながら歩くことが大切です。
●危険箇所の通過時、例えば、壊れそうな吊り橋、スノーブリッジ、雪崩そうな斜面、落石が起きそうな斜面、雷のときなど、「人間距離」を保っていないと犠牲者が多くなります。
登山で起こりうるリスクを最小限にとどめるためにも「人間距離」は大切です。
*ちなみに「人間距離」をとり過ぎると、前の人が見えなくなって道迷いにつながりますのでご注意を。
このように「人間距離」を保つことは、安全登山の為にはとても大切なことなのです。
新型コロナウイルス感染対策の為だけではないんですね~。
「人間距離」を保って安全に登山を楽しみましょう!
ちなみに、これがベテラン登山家らの「人間距離」。
全員が自然に間隔をとっているからスゴイ!
さすがプロ集団ですね。
新型コロナウイルスが流行る10年以上も前の写真ですよ~
最後に、J.miura の「身体的距離」について
私は昔から身体的距離には敏感で、パーソナルスペース(他人に近づかれると不快に感じる距離)が広いみたい。
新しい生活様式「身体的距離」2mという習慣も、私にとっては特に違和感もなくすんなり受け入れられる。
ちなみに、登山ガイド中に私の後ろを歩く人が「あおり歩き」ぎみだと、私は無意識のうちに離れようとするので、歩行速度はどんどんあがります。
宮城の登山ガイドJ.miura と歩く際は「人間距離」にご注意くださいね(笑)。
By 宮城の登山ガイド「J.miura」
J.miuraは「登山道 三浦流」を極めるべく、今日もまた歩き続けています。
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