皆様こんにちは、宮城の登山ガイドJ.miuraです。
先日、仙台市内の小学校から「防災学習」のお話しを頂きまして、「登山道 三浦流」の総本山であります「大高森105m」と「宮戸島」をご案内させていただきました。
今回、大高森にいらっしゃった方々は、私の娘と同い年の小学校5年生の皆さん。
東日本大震災のあった2010年度、つまり2010年4月~2011年3月生まれた皆さんです。
月浜海岸で夢中で貝殻拾いをする皆さん(^_^)
この後、集合の号令がかかり午後の部「自然と向き合う防災トレッキング」がスタートです。
月浜にて、自己紹介中のJ.miura。
ちょっと緊張気味かな(笑)
まず初めに、私の実家の「閖上」の話、あの大津波の時、みんな生と死と紙一重だった話。
うちの子もだけど、みんなが今生きていられるのは、守ってくれた親や家族がいるからなんだよね。
「大浜田湿地」。
古くから水田として利用されてきたこの地ですが、平成の大津波で甚大な被害を受けました。
現在は、震災の歴史・宮戸島の歴史を後世に伝える場として、生物多様性を学ぶ場として「大浜田湿地」として整備されています。
10年前に裸地となってしまった大地、それから10年後の今、草が生え始めています。
自然の移り変わり「遷移」の第一歩目を見ることができたかな。
これから100年後、200年後はどうなっているのかな~
みんなが大人になったら、また見に来てほしいなあ。
「津波浸水深」。
「今、大地震が起こり、大津波警報がでたらどうしますか?」
今回の防災学習は、私のそんな問いかけからスタート。
皆さんには、宮戸島の自然を楽しみながらも、常に危険回避について意識して歩いて頂きました。
まずは「自助」。
自分の足元、前方、頭上、左右、止まって後方を確認しながら歩きました。
次に「共助」。
自分が大丈夫なら、周りの人達にも声をかけたり、お互いに助け合いながら歩きました。
そして今、大地震が来たら大津波警報がでたらどこに逃げるか、常に高い所を意識しながら、避難経路を探しながら考えて歩きました。
もちろん、平時は車にも注意が必要!
楽しい団体行動では油断しがちになる車への注意、皆さんしっかり自分で左右確認して横断していましたね(^_^)v
「平成の大津波の碑」。
観音寺の入口にあります。
みんな真剣な眼差しで話を聞いてくれます。
「平成の大津波の碑」の近くにある供養塔の前で、みんなで手を合わせました。
ここは「地域避難所」、「松島自然の家」です。
いざという時はここに避難するということを皆で共有して歩きました。
今回の「防災学習」では、この防災学習中に大地震が起こり、大津波警報がでた場合のことも考慮し、本当に綿密な避難計画を作成して頂きました。
ご尽力いただきました先生方には心より敬意を表しますm(__)m
いつどこで大津波警報がでても迷いなくすぐに避難行動に移せることが大切です。
東日本大震災での大津波の到達は、最も早いところでは地震の約30分後でした。
松島自然の家にある、旧宮戸小学校の記念碑。
2011.3.11、宮戸島の方々は(約1000人の方々が)、当時この地にあった宮戸小学校へ避難しました。
これが「貞観の碑」です。
言伝えによりますと、平安時代869年「貞観の大津波」の教訓の石碑と言われているそうです。
宮戸島の方々は、「この地よりも上に逃げよ」という言い伝えをちゃんと守ったのでした。
そして、東日本大震災では、当時約1000人いらっしゃった宮戸島の住民のほとんどが、すぐに石碑よりも高台にある「宮戸小学校」に避難したそうです。
貞観の碑の隣にある新しい石碑。
「貞観の碑に感謝」と刻まれています。
これは平成27年秋に、宮戸島「観音寺」の渡辺住職が私費で建てられたものだそうです。
この言い伝えを守ったことにより、およそ1000名の住民の皆さんの命が救われたのでした。
「大高森105m」に全員無事登頂です。
山頂は素晴らしい展望で、泉ヶ岳、蔵王、栗駒など宮城の名だたる山々が見えるんだよね~
そして、大高森山頂からは「金華山」も見ることができます。
金華山は、東日本大震災の震源地から最も近い島。
大自然への感謝と畏敬の念と、東日本大震災で犠牲になった方々のご冥福をお祈りして、震源地の方向を見ながら、みんなで手を合わせました。
大高森の山頂にある「雷神塔」。
明治29年建立と記されています。
河川や湧水が無い「宮戸島」にとって、「水」がとても貴重だったことが感じられますね。
大高森の山腹にある「薬師堂」。
昔も今も、人間の頑張りだけでは乗り越えられない難しいもの、それが「自然」と「寿命」ですよね。
だから人は、薬師如来様に祈ったのでしょうね。
この日、みんなでコロナの終息を願い薬師如来様に手を合わせました。
あっという間に過ぎてしまった、約二時間のトレッキングルート。
もっともっとたくさんお伝えしたかったな。
真剣な表情で私の話に耳を傾けてくれたこと、大高森山頂で海を見た時の素敵な笑顔に歓声、打てば響いてくれる本当に素直な気持ちを持った○○○小学校5年生みんな、本当にありがとうございました!
そして、綿密な計画を立て安全に引率してくださった先生方、このような素晴らしい機会を与えてくださった○○先生、本当にありがとうございました!
皆さんと共に過ごしたこの時間を私は生涯忘れません。
また、登山道三浦流の総本山「大高森」へ「宮戸島」へ遊びに来てけさいん(^_^)b
それではっ!また大高森でお会いしましょう!
By 宮城の登山ガイド「J.miura」
J.miuraは「登山道 三浦流」を極めるべく、今日もまた歩き続けています。
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