皆さまこんにちは!
「Blue³陸奥自然歩倶楽部(ブルー・スリー)」主催、宮城の登山ガイドDragon J.miuraです!
2025年9月14日、「Blue³陸奥自然歩倶楽部」主催による「多賀城歴遊浪漫ウォーク」を開催、参加者の皆さまと史都多賀城を楽しく歩いてきました~
今回の歴遊浪漫ウォークは、宮城県多賀城市に息づく歴史と文化をじっくりと五感で味わいながら歩く体験型イベントとして企画、参加者の皆さまと共に、深く豊かな時間を過ごすことができました。
2025年11月頃に、宮城オルレ多賀城コースとしてオープンする予定もあるようですね。

当日は、私、宮城の登山ガイドDragon J.miuraが案内役を務め、さらにスペシャルゲストとして学芸員のK君をお迎えして開催。
K君は私の高校時代の学友であり、多賀城を始め歴史の魅力や向き合い方を教えてくれた私にとっては師匠のような存在でもあります(釣りの師匠でもあります)。
K君は高校時代からの夢(歴史関わる仕事)そのままに生きていて、現在も発掘調査などに携わる仕事をしており、様々な地域の歴史に精通した専門家です。
K君の解説は、古代から現代に至る多賀城の物語を丁寧に紐解き、参加者の皆さま(私J.miuraも)の知的好奇心を大いに刺激する素晴らしい内容でした。

特に印象的だったのは、K君が語った考古学的な視点からの「震災の記憶」でした。
K君はこの地域の発掘調査を通じて、貞観地震(869年)や慶長地震(1611年)といった大地震・大津波の痕跡を確認してきた経験を共有し、「もしこの過去の出来事をもっと発信できていたなら、東日本大震災の津波被害を少しでも防ぐことができたのではないか」と、後悔と反省の念を込めて語っていました。
その言葉には、歴史を掘り起こす者としての責任と、命を守る知恵を伝える使命感が込められており、私の心に、そして参加者の皆さまの心に深く響いたように感じます。

↑陸奥総社宮(むつそうしゃぐう):陸奥国の総社として、平安時代に陸奥国内の100社の神霊を一か所に合祀したのが始まり。陸奥国府が置かれた多賀城の近くにあり、国司が赴任した際には、各地の神社を巡る代わりに必ずココで、まとめて祈ったとされている。
参加者のまなざしは真剣で、歩きながら交わされる言葉や表情には、楽しさだけではなく学びと感動が溢れていました。
自然の風景の中に歴史を見出し、足元の土に物語を感じる、そんな体験が、ガイドである私自身にとっても忘れがたい素晴らしい時間となりました。

↑謎・謎・謎「荒脛巾神社(あらはばきじんじゃ)」: 塩釜神社の末社で、江戸時代には仙台藩・伊達家から社領の寄進を受けた由緒ある神社。社名にある「脛巾(はばき)」は旅人が脛に巻く布で、足腰の病気に霊験があるとされている。草鞋(わらじ)が多数奉納されており「旅の神」としても信仰。神社の立地から「塞の神(さいのかみ・さえのかみ・道祖神)」的な性格も持ち「境界を守る役割」があると考えられている。
昔は特に、「生きる」為には「歩くことができる」ことは欠かせなかった。

↑「荒脛巾神社」には今でも靴が奉納されている
なぜココに「荒脛巾神社」が存在しているのか、、、考えると非常に深~いですね。
このイベントを通じて改めて感じたのは、「歩くこと」が単なる移動手段だけではなく、文化であり、祈りであり、命をつなぐ行為であるということです。
地・水・火・空・風という五輪(五大)の要素に五感を研ぎ澄まし感謝を捧げながら、多賀城という土地が語りかけてくる声に耳を澄ませる。
そんな素敵な時間を、これからも多くの方と共有していきたいと思っています。

↑国宝「多賀城碑」:令和6年8月27日に国宝(古文書)に指定。高さ248cm(地上部196cm)、最大幅103cm、最大厚72cmの「花崗岩質砂岩」で、碑面はほぼ真西に向け立てられている。碑面には141字の文字が彫り込まれ、中央上部に「西」の一字が、その下に140字が11行に配されている。

↑国宝「多賀城碑」の上部に見える「西」の文字は、都(平城京)への敬意を示していると考えられている。
「なんでこの石碑は建てられたんだろう?」
「平安時代に造られた古い石碑、なぜ今なお文字を読むことができたのか?」
「別名:壺の碑、ってなんのこと?」
「多賀城碑」には、不思議な魅力がいっぱいです(^_^)b
「歴遊浪漫ウォーク」は今後も継続して開催予定です。
様々な地域の歴史・文化・自然を歩いて五感で感じるこの取り組みを通じて、命を守る知恵と、土地に宿る物語を語り継いでまいります。
ご参加くださった皆さまに、素晴らしい解説をしてくださったK君に、そしてこの場を共に創ってくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました!

↑南門から政庁跡方面
さあ皆さん、心をこめて歩きましょう!
Blue³陸奥自然歩倶楽部(ブルー・スリー)
登山ガイド Dragon J.miura
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